メルクリンやライオネルに代表される方式で、中央三線式を採用しているが、交流方式であることは必ずしも三線式であることを意味するわけではなく、少数ながら交流二線式の鉄道模型も存在する。1930年代には効率のよい整流器や強力な永久磁石が民生用にはなかったので、直巻電動機と電磁石による方向転換装置との組み合わせが採用された。 最近電子工学の進歩に伴い、多重制御方式(後述)を好む人が増えてきたため、交流とは言えども正弦波ではない交流駆動の模型が増えている。
直流を得るには蓄電池あるいは小型の整流器を必要とした。自動車産業の発達したアメリカでは、セレン整流器が民生用として市販され始めたので、これを流用してDC12Vという規格が成立した。通常は左右のレールのみから集電する直流二線式が用いられるが、少数ながら直流三線式の鉄道模型も存在する。具体的にはトリックス製品では、直流二線式の「トリックス・インターナショナル」に対して、直流三線式の「トリックス・エクスプレス」が存在する。
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直流方式の利点は、機械的な逆転装置なくして自由に前進後退を選べることであった。交流方式の直巻電動機の界磁を車載整流器で一定方向磁界とすれば(これをpolarizedという)手元のスイッチひとつで進行方向を切り替えることができた。第二次世界大戦後は永久磁石の界磁となり、これは分巻電動機の一種であって模型機関車の駆動用電動機として最も適するとは言えないが、広く用いられるようになった。機械工学に通じる鉄道模型人は現在でも直巻電動機を好む。その理由は二つあり、
機関車などの動力車の起動時には電流の二乗に比例してトルクが発生し、実物の発車状況を再現しやすいこと。また、巡航時には電流値が減少し、登り坂では回転が落ちて電流値が上昇し牽引力が増すこと。
永久磁石による界磁を持つモータでは、磁石が電機子を吸引することにより、車輪を廻した時ギヤを介してモーターが回転しない。すなわち、電源を切った瞬間に動力車は急停止する。すなわち、実物の鉄道車両が惰行する様子を再現できない。(通常のウォームギアを介して伝動する場合はモーターの電力供給が停止した時点で急停止する。)
である。現在のもっとも進んだ駆動方式では電子制御でモータの回転数を実物を模した加減速曲線で駆動し、Bemf(逆起電力)を測定して回転数を一定に保つ方式をとっている。また、永久磁石に吸着されない無鉄心型モーター(コアレスモーター)を採用し、特殊なウォームギヤとの組み合わせで押して動く(free-rolling mechanism)動力車が実用化されている。
12vという電圧は上述のように自動車産業から派生したものであったが、線路が長くなると電気抵抗が無視できなくなり、電流値を減らして電圧降下を小さくすることができる高電圧化の論議が1980年代に始まった。24v化という動きもあったが効率のよいモータの採用とともにその声は聞こえなくなった。Oゲージ、Gゲージの世界ではレイアウトの規模が大きいので、人により16~18vを採用することもある。
多重制御方式
同一の線路上の複数の車両を個別に制御する方式の総称。車両の運転のみならず、警笛、前照灯の点滅などもこの概念に含まれる。古くは交流を混ぜて流し周波数によって識別する方式(ライオネルのアストラック)や交流と直流を同時に流す方式などがあったが、アナログ方式ではせいぜい数台が限度であった。 現在ではデジタルコマンドコントロール(DCC)が世界的な標準になり、欧米ではDCCが搭載された車両を発売するのが標準となっている。DCCでは理論上、同時に1024台に指令を出すことができる(8bit)。
鉄道模型の駆動方式
鉄道模型発祥の頃は、当然手で押すものであった。時代の進歩とともに、ぜんまい駆動であったり、蒸気による自力走行できるものになったりし、最終的に電気による外部からのコントロールが可能になった。
それは、乗ってコントロールする必要があったり、あるいは動き始めたら放置せねばならない蒸気駆動より、室内で楽しめるより小さな電動模型への進化であった。もちろん蒸気駆動はライヴスティームとして特化した進化をしたが、電動模型はより小さなサイズへと向かった。